『ツナマヨブルー』
- 龍之介

- 9 時間前
- 読了時間: 2分
『ツナマヨブルー』
「コンビニのおにぎりには明確な賞味期限がある。」
早朝に買ったそれを、夜の七時になってようやく開封する。
最近、夜風がなまぬるくなってきた
だから、それは、果たして無事だろうか。
恐る恐るにおいを嗅ぎ、慎重に
一口かじる
セーフ……NO腐敗!!!
咀嚼しながら、脳内では今日一日の「再生ボタン」が勝手に押され、本日付けのVHSの再生が始まる。
……カチッ
あそこはどうだったか
ここはどうだったか
一つ残さずこぼさなかったか、その意図を。
こぼして許されるのは、おにぎりの米粒だけだろ
と、米粒と共に、それらを飲み込む
コンビニの棚に並んだ彼らの賞味期限は十数時間。
しかし、 本日付けのVHSは、明確な期限がなく
二日、三日、一週間……は永遠に再生される。
キュルキュル……
キュルキュル……
僕の胃袋は、それなりに聞き分けがいい。
朝、おにぎり二個とコーヒーを流し込めば、満腹サインが脳へ届けられ満足だ
しかし、腹はふくれても、胸の奥に陣取る激イタ観客は、満足してくれない
まんぷくにはなれるくせに、まんぞくには至れない。
ショートしかけた回路を修復するため
傲慢だが
まだ先があると自分を言い聞かし
最後の一口を飲みかけのコーヒーと共に、無理やり押し流す。
……ふぅ、…
なまぬるい夜風が妙に気持ちいい
今なら
生ぬるい季節の感傷ごと
一息に飛び越えていけそうな気が………し
……それにしても、だ
ツナマヨおにぎりはうまい
ツナマヨ最高ーーー
みんなで食べよう!ツナマヨ
明日も、がんばるか。ツナマヨ
目指せVHSダビング不可避の傑作
夜風はいつだって最高密度のツナマヨだ!
ジリジリジリジリ……
ここまで読んでくださりありがとうございました





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